理事長所信

プロフィール

一般社団法人滝川青年会議所

第65代理事長  齊藤 真弘

 

 

                                   

理事長所信

【はじめに】
今年で滝川青年会議所は65周年を迎えます。これまで先輩諸氏が「明るい豊かな社会を築き上げる」という理念のもと、この滝川という地域で熱い志を伝承しながらまちづくり活動をされてきました。測り知れないエネルギーを消費して、このまちのために努力を重ねてこられたことに気づいたのはつい最近のことになります。実は、私は滝川で生まれ育ったわけではなく、14年前に北海道滝川市に移住してきました。生まれは群馬県太田市という人口約22万人のまちで戦時中は中島飛行場という零戦の工場があり、今では大手自動車メーカーの工場となっていますが、都心への交通網も充実しており年々人口増加をしているまちです。そこから移住をして青年会議所の門をたたき13年という月日がたちましたが、これまで多くの先輩の皆様と青年会議所活動をともにしてきました。その中で感じ得たものは、青年会議所という団体は無限の可能性を秘めているということでした。全国のメンバーがやる気になれば国をも変えられる、人脈も恐ろしく力のある団体であることを。入会当初はまちなんか変えられないとか、先輩方のいうことを綺麗ごとのように感じていました。しかし、無償で必死にまちを盛り上げようとしている姿を見て何か助けにならないかと思い、少しずつ自身でもいろんなことにトライをしていくうちに、日常生活では絶対にできないであろう経験や人との出会いがそこにはありました。人にはそれぞれのステージがあり、自分だけよければと考える人、自分と家族がと考える人、自分と家族と自分の会社がと考える人、そして地域のことまで考える人、さらに県や国、世界まで考える人。通常どのステージにいてもいいと思いますが、青年会議所メンバーであるからにはそうではいけません。地域や国のことを考え運動を行っていく団体です。それにより自己成長がついてくるものだと感じております。今、日本ではGDP低迷や少子高齢化にともない若手の人材不足、近隣諸国との安全保障や経済における複雑な関係性があることなど様々な課題があり、滝川市に焦点を絞ってみても人口減少のあおりを受けて昔に比べると活気が失われてきていると感じ取れます。しかしながら、いつの時代もいろんな課題があり、それを先輩方が課題解決のために尽力を注いできたことは確かです。私たち青年会議所内にも多く課題山積していますがそれに屈することなく解決策を講じ、地域のために率先して行動していく力を強めてまいります。


【会員拡大】
青年会議所は20歳から40歳までという限りのある制度により明るい豊かな社会を築き上げる上で、常に拡大を行っていかなければなりません。現在、滝川青年会議所は17名という過去最低の会員数となっております。それにより今までに行われてきた事業を継承するのも新たな事業を行うにしても限界に達しています。青年会議所運動は決して人数の大小で決まるわけではありませんが、運動を行っていく上で1人のつぶやきは愚痴にすぎず、10人のつぶやきは声となり、100人いれば力となるように、社会へより良い変革をもたらすためにはどうしもて会員数が重要となります。ただ単に人数がいれば良いというわけではなく、共通の理念を持ち同じ想いをもった同志の拡大が必要です。そのためには、もっと滝川という地域を知らなければいけません。地域を知るということは、市政を知るということではなく、先輩諸兄はもちろん、地域にいる人を知り、地域にある会社を知り、各団体とのつながりが必須だと考えます。また、青年会議所は互いに自己を高めあう場でもあり、必ずや人との出会いが自己成長につながる団体です。現役メンバーが青年会議所活動に意義を感じて自信を持ってまだ見ぬ同志に声をかけていくトライがなければいけません。トライアンドエラーでもいい。まずは危機感をもって拡大につながる行動をすること。他の地域では成功事例がたくさんあります。地域性を省いたとしても通ずつ部分は必ず見出せるはずです。一人ひとりがJACEEとして拡大の重要性を理解し、今以上に同志が繋がりあう楽しい青年会議所活動を想像しながら、一丸となって会員拡大を進めてまいります。


【まちづくり】
 滝川市には魅力がたくさんあります。あたり一面を彩る菜の花、スカイスポーツのグライダー、味付けジンギスカンやそば、自然が豊かで石狩川と空知川の2つの川も魅力の一つだと考えます。滝川という地名の漢字からも想像できるように水豊かなまち。他にもたくさんの魅力がありますが、一番の魅力はこの地域に住む人です。まちづくりはよくひとづくりだと言われています。まずはひとづくりの一環として現役メンバーのスキルアップを第一に考えた事業構築を行ってまいります。現在、人口知能を活用した取り組みが全国的に広まりつつあり、近い将来を考えたときに日常生活や会社経営では外すことのできない事象であります。その知識を身につけることは今後の視野を広げ強いてはまちづくりにつながると考えます。また、ようやく新型コロナウイルスの影響が緩やかになり、コロナ前の水準まで日常生活が戻りつつあります。多くの市町村が抱える人口減少に歯止めをかけることは難しくても、地域に住んでいる人々と交流を深め、まちを盛り上げる事業を行っていくことは可能です。活動を通して地域社会に役立っているという実感がJC活動の楽しさの一つだと感じています。それが顕著に表れるのが現在、滝川青年会議所が主体で行っております夏の風物詩となった「たきかわ納涼盆踊り花火大会」です。これからも末永く続けていくためにも従来のやり方を再検討し持続可能な事業になるようトライしていく必要があります。
滝川市には「そらぷちキッズキャンプ」という施設があります。日本全国に約20万人いるといわれる小児がんや心臓疾患を抱えた難病の子どもたちの外で遊びたいという夢を叶える施設です。これまで青年会議所は様々な支援を行ってまいりましたが、子どもたちの笑顔のために引き続き支援の輪を広げてまいります。


【名護との絆】
本年で第49回目を迎えようとしている滝川名護児童交歓事業はこれまで合わせて2300人以上の北海道滝川市と沖縄県名護市の児童が参加して世代を超えて絆を紡いできました。この歴史ある事業も新型コロナウイルスの影響により一時中断し、消滅しそうになりましたが、両青年会議所の絆は深く、可能な方法を模索し参加人数の調整を行うなど工夫をこらし、ようやく今年は人数制限なしで行えるようになりました。この事業は子どもたちの成長が目に見えて分かるくらい人との関りがあり、北海道と沖縄の風土や文化の違いを実感できる事業です。一昔前よりも今は簡単に沖縄に行くことはできますが、やはり親元を離れまったく違う風土や文化を肌で感じつつその地域の人と関りを持つということは、交通の便が発達して簡単に家族で旅行に行ったり、SNSが発達してどんなにやり取りをしようとも勝るものはなしといえます。だからこそこれまで歴史が紡がれてきたのだと考えております。歴史を閉ざすことなく持続可能なあり方も模索しトライしてまいります。


【総務】
総務、財務、運営、広報活動を効率的に行っていくことは青年会議所が明るい豊かな社会を創造するために、必要不可欠となります。現役メンバーの減少にともないその担いは重くのしかかってくることも事実です。専務を中心に総会や理事会の細かな規則変革を行っていき、各書類のフォーマットの改変や財務においては透明性を図り、広報活動ではホームページやSNS等の活用はもちろんのこと、事業や例会、その他対外へ発信すべき情報を迅速に行っていく仕組みづくりをして、現役メンバー内でも密な情報共有を図ってまいります。他の事業だけではなく日頃より費用対効果を総務でも取り入れ、検討をしていく必要があります。


【出向】
北海道にある各青年会議所は地域を飛び越えて北海道の課題と向き合う北海道地区協議会というものが存在します。さらには、北海道も飛び越えて日本の課題と向き合う日本青年会議所もあります。地域の課題に取り組むことが最優先ではありますが、北海道の同志、全国の同志と運動をともにして繋がる機会が存在します。出向は個人の見聞を広めることができ、全国に仲間を作ることができる良い機会です。また、違った地域の青年会議所との情報交換は今後のJC活動が楽しくなる要因の一つでもあると考えます。出向して他のJCメンバーと活動していくと見えてくる景色も違ってきます。青年会議所は個人の機会の提供も担っています。今年度は多くのメンバーで出向をして様々なことにトライをしてほしいと望んでおります。


【結びに】
今まで青年会議所で出会ってきた仲間は、お金には替えられない私の財産です。損得勘定抜きで助け合える仲間はそう簡単には作れないと年を取るごとに感じます。JC最終年度にして非常に重い光栄なバトンを受け取りました。自分の人生の5分の1を費やしたこの会に感謝と私を取り巻くすべての皆様に感謝の気持ちをもって全力で一年間トライしていきます。